「出産後に痔になってしまい、痛くて憂鬱だ」
産後に痔で悩んでいる方は非常に多いです。出産した方の半数近くいるのかもしれません。痛みを我慢しているうちに痔が悪化してしまうこともよくあることです。
先輩ママたちは、産後の痔になった時、治らない時、悪化した時など、どのように対処、治療してきたのでしょうか。見ていきましょう。
目次
産後の痔の原因と種類
妊娠中・出産・産後の痔の原因
出産は下半身に精いっぱいの力を入れていきむので、痔になってしまうことが非常に多いです。
いきむことで静脈がうっ血し、おしりに大きな負担がかかってしまいイボ痔ができてしまうのですね。
妊娠中は子宮が大きくなるので、直腸や肛門が圧迫されて痔になりやすくなります。
妊娠中にできた痔が出産によって悪化してしまうというケースも多いようです。
また出産後は授乳による水分不足で便秘になってしまうことがよくあります。
便秘になってしまうと便が固くなるので切れ痔になることや、無理に排便しようとしていきむことでイボ痔になってしまうことがあります。
このように妊娠・出産・産後は痔になりやすい環境がそろってしまっているのですね。
痔の種類
痔には大きく分けて「イボ痔(内痔核・外痔核)」「切れ痔」「痔ろう」の3つの種類がありますが、産後によくみられるのは「イボ痔(内痔核・外痔核)」と「切れ痔」ですね。
もちろん「イボ痔(内痔核・外痔核)」と「切れ痔」の両方の症状が現れることもあります。(イボ痔が切れて出血したりするということです)
イボ痔は放置して悪化してしまうと大きくなり痛みが増してきます。
さらに内部にできたイボ痔(内痔核)が肛門の外に脱出してしまうと、大量の出血や激しい痛みがあるため手術が必要になってしまいます。
軽度のイボ痔なら、塗り薬で治すこともできますので、早めに病院で治療を受けることをお勧めします。
まずは出産をした産婦人科の医師に相談してみましょう。授乳中でも使用できる塗り薬などを処方してくれると思います。
また、最近は女性の医師が診察してくれる肛門科の医院もありますので、恥ずかしがらずに診察を受けてくださいね。
痔の治し方・治療方法
とはいっても、できれば病院に行かずに痔を治したいと考えている方は多いと思います。
肛門科の病院で診察を受けるのは正直かなりためらいがあるのではないでしょうか。
出産した産科の医師に相談することがお勧めなのですが、自分自身で痔を改善するための方法も見ていきましょう。
とにかく便秘をしない
産後はホルモンバランスの変化や、授乳による水分不足で便秘になることが多いです。
便秘は痔にとって大敵です。便秘になると便が固くなってお尻に負担がかかってしまうので、痔の改善には便秘を解消することが大切になってきます。
まずは根菜類や野菜・果物など食物繊維や水分がたくさん含まれた食事を摂るようにしましょう。また水分補給も大事になってくるので、水やお茶を多めに補給してください。
ヨーグルトやバナナなど乳酸菌やオリゴ糖等の善玉菌がたくさん含まれたものも摂取したいです。とにかく腸内環境をよくする必要があるのですね。
適度な運動も腸を刺激して排便をスムーズにします。
激しい運動をする必要はありません。ウォーキングやストレッチ・軽いエクササイズ・体操などで腸を刺激してあげましょう。
また便が出ないからと言ってトイレでいきむのはよくありません。
いきむと痔が悪化してしまうので、自然と便が出やすい腸内環境を作ることを最優先しましょう。
血行を良くする
イボ痔の原因は静脈がうっ血してしまっていることです。
このうっ血を改善するためには、血行を良くすることが大切になってきます。
具体的には、お風呂で湯船にゆっくりと浸かって血行を良くするといいです。
旦那さんに子供を見てもらい、ゆっくりと湯船に入る習慣をつけてくださいね。
授乳中の痔の薬
授乳中に痔の塗り薬や座薬を使用してもいいのかと疑問を持っている方も多いと思います。
市販されている多くのステロイド入りの痔の治療薬(塗り薬・座薬)の注意書きには、「授乳中の人は本剤を使用しないか、本剤を使用する場合は授乳を避けてください」と記載されています。
ステロイド入りの痔の治療薬は、授乳中には使わないほうがいいということですね。
ではステロイドが入っていない痔の治療薬はどうかというと、これも念のため薬剤師や医師の方に相談したほうがいいです。
痔の市販薬は多くのものにステロイドが入っています。(有名なボラギノールA、プリザエース、プリザSはステロイドが配合されています。)
一般人にはなかなかわかりにくいので、薬剤師や医師に相談してから使用してくださいね。
先輩ママの体験談とアドバイス
私の場合ではありますが、産後4~5ヶ月頃までは痛みがありました
つらい陣痛が終わり、これからは可愛い我が子のために一生懸命頑張ろう!と思っていたのに…分娩時にいきみすぎたせいか、痔になってしまい、痛みが酷く、とてもつらかったです。 しばらく痛みが続いたので、手術することも覚悟していたのですが、塗り薬で誤魔化しながら育児に追われているうち、すっかり良くなりました。 私の場合ではありますが、産後4~5ヶ月頃までは痛みがありました。 酷いものならば無理せず病院へ行き、専門医に対処してもらうとすぐによくなると思います。 痛みのない体で育児に専念できるようになると、気持ちにも余裕ができて、子どもが更に可愛く思えますよ!(東京都 M・M) |
退院後しばらくは痛みましたが、1ヶ月ほどで落ち着きました
帝王切開で出産をしたのですが、傷が落ち着いて自分で排泄をするようになってから痔になっていることに気付きました。 とにかくお尻が痛い!でもお腹(傷)も痛い!トイレでのたうち回りました。 退院前検診で、意を決してドクターに「お尻が痛いんです」と相談。 あっさりとお薬を出してくださいました。 退院後しばらくは痛みましたが、1ヶ月ほどで落ち着きましたよ。 思い切りいきむ普通分娩ならまだしも、帝王切開でも痔になるとは思っていなかったので戸惑ったし恥ずかしかったです。 でもドクターに相談したところ、「あ、そう。じゃあお薬出しますね」とあっさりしたものだったので「もっと早く相談すればよかった」と悔やみました。 お尻の形が変わってしまったのでは?というくらい痛かったので。 産婦さんには良くあることですから、早めに看護師さんやドクターに相談するといいですよ。(千葉県 T.O) |
ウォーキング、ストレッチなど無理なく自分にあった運動が必要だと思います
もともと便秘な私は、出産後さらにひどい便秘に悩まされました。 それが元で便が硬く、痔になってしまいました。 出産の痛みより産後の痔の方が憂鬱でした。 産婦人科からもらった下剤を飲んだり、腸マッサージをし、ヨーグルトなど腸にいいとされるものを食べたりしていました。 が、やはり運動が一番重要だと感じました。 産後しばらくして、動けるようになったら積極的にウォーキングなど始めました。 すると、便秘と痔にサヨナラできました。 基本的なことですが、ウォーキングやマッサージ、ストレッチなど無理なく自分にあった運動が必要だと思います。 産後だとついつい自分のことは後回しになってしまいますが、睡眠をしっかりしてストレスなく過ごしてください。(広島県 O.N) |
後悔する前に是非先生に相談してください
出産時に会陰切開をし、大便をすると傷口が裂けてしまうのではないかと思い、大便をするのを避けていました。 我慢のせいか便がどんどん硬くなってしまい、いざしようとしたときには痔になってしまい、痛い思いをしてしまいました。 今思えば先生に相談して下剤を処方してもらえばよかったと後悔しています。 何もかもが初めてで、もしかしたら自分だけ・・なんて思うこともあると思いますが、後悔する前に是非先生に相談してください。硬くなってしまう前に対処したほうが絶対いいですよ。(愛知県A.A) |
いつかは必ず治るものなので、無理をしないことが大切です
産後の入院中、初めて便をしたときから痔になりました。 それも、切れ痔です。 痛かったですし、1ヶ月以上続きました。 対策としては、無理に便を出そうとせず、ギリギリまで我慢していました。 そして、一気に便をスルっと出すと、比較的、切れ痔の部分が少しで済みました。 産後の痔は、正直仕方のないこと、自然なことだと思います。 でも、いつかは必ず治るものなので、無理をしないことが大切です。 便をしたあとは、あまり強く擦らないなど、少しでも刺激を少なくしてあげると、痔も良くなります。(群馬県 H、T) |
まとめ
妊娠中・出産時・産後は痔になりやすい環境となっています。
もし痔になってしまった場合は、出産した産婦人科の医師に相談すると、治療薬を出してくれると思うので、まず相談してみましょう。
産後はホルモンバランスの変化などで便秘になりやすくなっています。
便秘は痔を悪化させてしまうので、痔を改善・治すためには便秘をしないように生活環境を見直すことも大切です。
食物繊維の多く含まれた食材、乳酸菌やオリゴ糖が含まれた食材、多めの水分補給で腸内環境をよくしましょう。
また適度な運動や入浴で血行を良くすることも痔の改善には重要です。
産後は便秘になりやすいので、便秘を解消する生活習慣をまずは目指してくださいね。