「産後の肥立ちが悪い時って、どんな症状が出るの?どう対処すればいいの?」

昔から、「産後の肥立ちが悪い」という言葉をよく聞きますよね。具体的に産後の肥立ちが悪いとはどのような症状が出ることを指すのでしょうか。またいつまで産後の肥立ちに気を付け、対処すればいいのでしょうか。

先輩ママの体験談から、産後の肥立ちが悪い時の症状やその対処法についてみていきましょう。

産後の肥立ちとは?

産後の肥立ちとは、産後に体重や体力を元通りに戻し肥えていくことを指します。

今で言う「産褥期(さんじょくき)」が産後の肥立ちにあたりますね。

今はほとんどありませんが、昔は「産後の肥立ちが悪くて亡くなる」ということも実際によくありました。

昔は細菌により感染症が起こるということもわかっていなかったので、今で言う「産褥熱」により亡くなってしまう方もたくさんいましたし、栄養状況もよくないので体力が回復せずに、痩せ細り亡くなってしまう方もたくさんいました。

現在は医学も発達してきたので、「産褥熱」も薬で対処できますし、栄養状態も昔より格段にいいので産後の肥立ちが悪いために亡くなることもほとんどなくなってきました。

しかし産後の肥立ち、現代で言う産褥期は、体を回復させる大事な期間となります。

育児に追われて大変なことも多いですが、まずは自分の体を回復させることを忘れないようにしたいですね。

産後の肥立ちが悪い時の症状とは?

産後の肥立ち、現代で言う「産褥期」は、産後6週間~8週間です。

この期間は、出産で疲弊した体を回復させる大事な期間と考えられているのですね。

では産後の肥立ちが悪い時には、どのような症状が現れどのように対処すればいいのでしょうか。

産褥熱

出産時には子宮や産道などが傷つき出血してしまいます。

そこから細菌に感染すると、38℃を超える発熱、倦怠感や関節痛などの症状が現れます。

この症状は「産褥熱」と呼ばれ、ハンガリーの医師ゼンメルワイスによりその対処法が発見されるまでは、産褥熱により命を落とすことも珍しくありませんでした。

現在は産褥熱の原因が細菌感染だと解明されているので、抗生剤を処方することにより症状を改善することができます。

産褥熱は、「分娩終了の24時間以降、産褥10日以内に2日以上にわたり38°C以上の発熱が続く場合」と日本では定義されています。

産後すぐに発熱があった場合は、すぐに医師に申告をして適切な治療を受けてくださいね。

子宮復古不全

出産を終えると、大きくなった子宮は元の大きさに戻るために収縮を始めます。

この子宮収縮の時に感じる痛みが後陣痛と呼ばれるものですね。

後陣痛はかなりの痛みを伴うことがあるのですが、子宮が元に戻ろうと収縮しているときに感じる痛みなので、ある意味体が回復している証ともいえるものです。

しかしこの子宮収縮がうまくいかないこともあります。

産後4週間~6週間経過しても子宮が元の大きさに戻らないときは、子宮復古不全を起こしている可能性があります。

子宮復古不全とは、胎盤や卵膜などが子宮内に残ったり、オキシトシンというホルモンが分泌異常を起こすことで発生する症状だと考えられています。

子宮復古不全を予防するためには、産後安静にしすぎないことが大事になります。

産後安静にすることはもちろん必要なのですが、安静にしすぎて寝てばかりだと子宮の戻りが悪くなるようです。

産褥運動をしたり、適度に体を動かしたりすることも大事になってくるのですね。

もし産後4週間~6週間経過しても悪露が続いたり、下腹部に痛みや違和感がある場合は、一度医師に相談してみるといいのではないでしょうか。

産後うつ

産後うつとは、産後に「なにもやる気が起こらない」「憂鬱である」「理由がないのに涙が出る」などの、うつ状態となってしまうことです。

「出産によるホルモンバランスの変化」や「心身の疲労」「周囲の環境」などがいろいろな条件が絡まりあい、産後うつが発症するのではないかと考えられています。

産後うつは、ひどい時は数か月間もその症状が続くことがあるので注意が必要です。

産後うつで精神状態が悪くなると、身体面の回復にも影響が出てくることがあります。

もし「産後うつかも!」と感じたら、すぐに医師に相談してみましょう。

体がだるい、頭が痛いなど

産後は「体がだるい」「頭が痛い」「腰痛」「膀胱炎」「乳腺炎」など、様々な体の不調が現れることがあります。

体を適度に動かすことは必要ですが、まずは出産で疲れ切った体を回復させてあげることが大事になってきます。

旦那さんや両親、行政のサポートなど、いろいろな方の力を借りて、まずは体力を回復させることを重要視してくださいね。

また和食中心のバランスの良い食事は、母乳の質を良くしますし、産後の体力回復にも効果があります。

育児をしながら体力を回復させるのは大変ですが、頑張りすぎないように頑張ってくださいね。

先輩ママの体験談とアドバイス

Hug

昔からの言い伝えは、やはり理由があるのだと実感しました

産後は水仕事をしないようが良いといわれていましたが、上の子がいてダンナは夜遅くて誰にも頼れないという家庭状況でした。
普通通り家事をしようとしていたところ、具合がとても悪くなりフラフラになりながら家事と上の子のお世話をして、病院で点滴を受けてしまいました。
昔からの言い伝えは、やはり理由があるのだと実感しました。
最近では、自治体の補助や、産後の家事サポートをしてくれる団体などがあるそうです。
事前にそのようなところの情報を集めて登録をしておけば、安心だと思います。(埼玉県 A.M)

産後1ヶ月よりも、2~3ヶ月の方がはるかに肥立ちが悪いなと感じました

初産の時ですが、しんどいと予想していた産後1ヶ月よりも、2~3ヶ月の方がはるかに肥立ちが悪いなと感じました。
産後1ヶ月は色々ヘルプもあったし、赤ちゃん自体も泣いてはいるけど、まだ動きまわるといったこともないので、ゆっくり過ごしていたから気づきませんでした。
でも2ヶ月を過ぎてきて、ちょっと動きが出てきてから目が離せない気がして、寝てても気配で自分が起きてしまったりしました。
やはり睡眠不足で、貧血気味。そして、風邪っぽい状態続いてました。
体力も落ちているので、近所のスーパーへ行くのに途中で休憩するくらい、息が切れていました。
なので主人が夕飯を食べている間の30分ほど、別部屋で部屋を暗くして寝転んだりして眠れなくてもいいから休息をとったり、寝る前にホットミルクを飲んで寝る時にしっかり良い睡眠がとれるようにしました。
これからママになるみなさんも、いろいろ不安かと思います。
本当に、生まれてみないと自分の子供がよく寝てくれるタイプなのかわかりません。
睡眠時間が短いとイライラもするし、抵抗力も落ちてきます。
なので、少しでも良い睡眠がとれるように、今の内から周りの方のフォローをお願いするのも手かなと思います。(兵庫県 M.W)

起き上がると立ちくらみがしたり、めまいや動悸がしていました

現在3歳の第2子出産後、1ヶ月後くらいから、異様に頭が重く、できれば横になっていたい状況でした。
「もうそろそろ体調が回復してもいいのにな」と思いながら、上の子もいるので家事などしないわけにもいきませんでしたが、起き上がると立ちくらみがしたり、めまいや動悸がしていました。
産婦人科に相談すると「ちょっと無理しちゃったかな?」ということで、栄養のある漢方を処方されましたが、「ぼちぼち付き合って、無理しないようにしましょう」とのことで、産後半年くらいまで続きました。
いわゆる「血の道症」というものだったようです。
上の子のときは無かった症状なので、人により、その時によりなんだと思います。
友達が心配して、「命の母」を買ってきてくれましたが、授乳中は残念ながら飲めません。
産後の無理は、更年期などにも響いてくると聞きますので、産婦人科に相談したり、「こういう時期だ」と割り切って、無理をしないで過ごすことが大事かなと思います。(高知県 N・F)

産後の肥立ちが悪い原因は、産褥期だというのに運動や筋トレをしたからでした

わたしは産後の肥立ちが悪く、産後1ヶ月になっても悪露が続いていました。
理由ははっきりと分かっていました。
子供が産まれても自分が思ったよりも体重が減らずに焦って、産褥期だというのに運動や筋トレをしたからでした。
今は産後1年くらいになりますが、今になって思うのが体重が減るのは赤ちゃんがおっぱいをよく飲むようになってからです。
わたしは産後の肥立ちが悪いのが動きすぎだということに気づいてからはそれをやめ、1ヶ月検診で子宮が落ち着く薬もらったらよくなりました。
まずは焦らずにゆっくりと旦那さんや実家の協力を得て休むことが大事です。(岩手県Y.F)

出血が2ケ月程続き、痛すぎて座ることも寝ることも辛かったです

私は吸引分娩をしました。
出血量も多く、産道が傷ついてしまい炎症をおこしてしまいました。
出産後子宮の戻りもおそく出血が2ケ月程続き、痛すぎて座ることも寝ることも辛かったです。
対処について、円座の座布団と抱き枕を使用し、授乳や睡眠を確保しました。
出産だけでも疲労するのに、自宅に帰った後の特に夜の授乳が辛いと思います。
授乳の体勢は座ってする!と考えず、自分の楽な体勢で行って大丈夫です。
初めての育児の場合本に書いてあるマニュアルどうりと考えがちですが、お母さんがリラックスすれば、赤ちゃんも落ち着いてくれますよ。(神奈川県 N.F)

まとめ

昔は産後の肥立ちが悪くて亡くなる方もいましたが、最近はさすがにその心配はほとんどありません。

ただ、産後の肥立ち(産褥期)は、出産で疲れた体を回復させる大切な期間となります。

産後6週間~8週間の産褥期は、適度に体を動かしながら、栄養のあるものを食べてしっかりと体を回復させてあげましょう。

産後は、産褥熱・子宮復古不全・腰痛・乳腺炎・膀胱炎など、様々な体の異常が現れることがあります。

症状がひどい場合などは、きちんと医師の診察を受けて治療をしてくださいね。