「会陰裂傷と会陰切開はどう違うの?どちらのほうが痛みが続くの?」
会陰裂傷と会陰切開の違いを具体的に皆さんは知っているでしょうか。実は出産の際に会陰切開をしても、さらに裂傷をしてしまうこともあります。
先輩ママの体験談から、会陰裂傷の痛みなどについて詳しく見ていきましょう。
目次
会陰裂傷とは
会陰とは、膣と肛門部の間のことです。
出産をするときに、この会陰部分を切開するのが「会陰切開」になります。
会陰部分は皮膚が柔らかく伸びやすくなっているのですが、赤ちゃんがスムーズに生まれるようにあらかじめ切開して、間口を広げておくといいうことです。
これに対し「会陰裂傷」は、会陰部分が裂けてしまうということになります。
医師が切開をしなくても大丈夫だと判断したけれど、予想以上に出産に手間取って会陰が裂けてしまうケースが典型的な例ですね。
また会陰切開をしたけれど、予想以上に赤ちゃんが大きくて切開した部分以上に会陰が裂けてしまうということもあります。
先輩ママの体験談を見ても、会陰切開をしたけれどそれ以上に裂けてしまったというケースがあるように、このようなケースも多くあります。
会陰裂傷は出産時に起こる可能性の高いことなのですが、産後にかなりの痛みを感じてしまうので、できれば避けたいことであることは確かです。
それでは会陰裂傷を避けるためのいい方法・予防方法はあるのでしょうか。見ていきましょう。
会陰裂傷を避けるための予防方法
会陰マッサージ
会陰部分をマッサージして皮膚を柔らかくしておくことは会陰裂傷防止の効果があります。
会陰裂傷は、皮膚が伸びることに耐えられなくなって裂けてしまうので、できるだけ柔らかくして伸びやすくしておくということですね。
産婦人科で会陰マッサージの方法等を指導してくれることもあります。
産婦人科によって会陰マッサージを開始する時期(28週以降、34週以降など)や回数(週に2回など)や方法(円を描くようになど)を、指導してくれることがあるので、助産師さんに相談してみましょう。
いきみ逃し
いきみとは、赤ちゃんを押し出そうとして力を入れた時の感覚です。便をするときと同じように、ぐっと力を入れたような感覚ですね。
陣痛が始まり子宮口が7cm開いて赤ちゃんの頭が下りてくると、このいきみたい感覚に襲われます。
しかしこの時は助産師さんに「まだいきまないでください」と言われるはずです。
子宮口が十分に柔らかくなって開ききる前にいきんでしまうと、会陰裂傷や赤ちゃんの窒息の恐れが出てしまうからです。
この時にいきみを逃してあげるのが、「いきみ逃し」ですね。
「いきみ逃し」というと難しいですが、いきみを我慢する、いきみを意識しないようにするという感覚です。
「ヒーヒーフー」といったラマーズ法などの呼吸法でいきみを逃したり、おしりの筋肉を締めたりすることでいきみを逃します。
いきみ逃しが上手くいかずに無理にいきんでしまうと会陰裂傷してしまうことが多いので、いきみ逃しをうまくすることが大事になってくるのですね。
会陰裂傷の痛みはいつまで続くの?
会陰裂傷の傷は、会陰切開の傷よりも治りが遅いといわれています。
会陰切開は鋭利なはさみで人工的に切開するので、傷口がきれいで治りやすいのですが、会陰切開は裂けてしまっているために傷口が複雑で治りが遅くなってしまいます。
裂傷の具合によりもちろん個人差はあるのですが、1週間~1か月ぐらいは痛みが続くことが多いようです。
会陰裂傷の程度がひどい場合は、数か月痛みが続くことがあるようなので、会陰マッサージやいきみ逃しで、できるだけ裂傷しないように心がけたいものですね。
もし会陰裂傷の痛みがひどい場合は、痛み止めの薬を処方してもらいましょう。
痛みを我慢しすぎると動くこともできなくなるので、授乳中でも飲むことができる痛み止めを処方してもらうといいと思います。
また会陰裂傷の痛みは退院後もしばらく続くことが多いです。
ドーナツ型の円座クッションは座るときに痛みをやわらげてくれるので、有効に利用してくださいね。
先輩ママの体験談とアドバイス
会陰裂傷してから、一週間くらいは痛みが続くかと思います
1人目の子の出産時に会陰裂傷を体験しました。 正直、裂けた時の感覚はありませんでした。 陣痛がマックスに痛くなって息んでいる時に裂けたようです。 陣痛の痛みで裂けた痛みは分かりませんでした。 入院期間中までは痛くて、痛み止めを貰って対処していました。 特に、トイレのときはしみるため怖くて痛くて大変でした。 会陰裂傷してから、一週間くらいは痛みが続くかと思います。 1ヶ月くらいまでは、なんかつっぱるなという感覚もありました。 それでも、気付いた時には違和感もなく今では全く気になりません。 出産前に会陰マッサージをする指導もあると思うので、やっておくほうが良いと思います。 |
産後も半年くらいは痛みが続き、その後1年くらいは古傷が痛むような感覚で痛みがありました。
第1子の時には、あらかじめ切開したのですがかなり大きく裂けてしまいました。 産後も半年くらいは痛みが続き、その後1年くらいは悪天候の時や低気圧が近づいて来たりすると、まさに古傷が痛むような感覚で痛みがありました。 第2子の時は、医師の対処が遅く、切開する前に子供の頭が出てきてしまい、切開する前に2ヶ所も裂けてしまいました。 幸い複雑にではなく綺麗に避けたので、産後のあとの回復は早かったと思います。 これから初めての御産を向かえる方はいろいろと不安も尽きないことと思いますが、自分で経験してみて思うことは、女性の体は出産に耐えられるように出来ているんだなぁと言うこと。 私の場合は、陣痛も痛いと言うよりは苦しい感じで、一般的に言う痛みも重症の下痢程度の物でした。 中には長い時間陣痛で苦しむ方もいるようですが、生まれてきた我が子の顔を見たとたんにそういう辛さはいっぺんに吹き飛んでしまいます。 会陰裂傷もみんなが経験するわけではなく、切開も裂傷もなしで出産される方もいますし、裂傷したとしても医師がちゃんと処置してくれますから大丈夫。 安心してお産に臨んで下さいね。 |
会陰裂傷の痛みは耐えれる程度だったのですが、排尿などが多少困難になりました
長男を10代で出産し、長女を20歳の頃に出産しました。 長男の時は自然分娩だったのですが、長女の出産時に会陰裂傷になりました。 原因は、予定日よりも早かった事と会陰切開をする際に、私の場合は膣から肛門に向かっての切開方法だった為、会陰裂傷になりました。 病院で先生の適切なアドバイスを聞いて自分で定期的にケアしたので約2~3週間で完治させる事が出来ました。 会陰裂傷の痛みは耐えれる程度だったのですが、排尿などが多少困難になりました。 会陰裂傷になってしまうと精神的な面にも影響してしまいます。 私の場合は、2人目出産の時に起こったので悩んだり不安になったりはなかったのですが、初産のママさんは初めての出産、子育てに不安を感じているでしょうから、そんな中での会陰裂傷は精神的にかなり厳しくなると思います。 なので、周囲に協力してもらいながら子育てをして治療していくのが一番良いと思います。 予防としては、沢山あるのですが一番お勧めなのは分娩中に行える予防です。 分娩の際に会陰部を温める方法があります。 これは、助産師さんや看護婦さんがしっかりとしてくれるので安心してください。 でも、まずは不安な事や気になる事は恥ずかしがったりせずに何でも助産師さん等に相談すると良いですよ。(福岡 H・A) |
結局、一か月程度で違和感も消えたので良かったです
初産婦だったので、まったくお産の仕方について分からず助産師さんの言われるがままに出産しました。 子宮口が全開になるまでは良かったのですが、赤ちゃんの頭が出てからは痛みに耐えきれずに、無理やりいきんでしまったのでラストのところで裂けてしまいました。 肛門付近までは裂けませんでしたが、かなり傷が深かったようで出産後も長い時間縫われていたと思います。 次の日には、傷がかなり痛くて触ることもできず、しばらく円座に座っていました。 退院時には座れるようにはなったものの、傷がひきつれるような感じはまだありました。 医師からは「徐々に新しい皮膚ができるから違和感もなくなる」と言われ退院しました。 結局、一か月程度で違和感も消えたので良かったです。 痛みに耐えきれずに無理やりいきんでしまったことが原因だと思いました。 なるべくお産では助産師さんのいう事を聞いたほうがいいと思います。 裂けてしまうと傷がまっすぐでないので、縫い方も難しく傷が切ったのに比べて治りにくいと医師から言われました。 もし切ったり、裂けてしまったあとは円座を使用すると、かなり座ったときの痛みは和らぐことができると思います。(茨城県E.S) |
3年前第一子を出産時にいきみ逃しが上手くできず、切開する前に裂傷してしまいました。 私の場合程度が軽く処置はすぐ終わりましたが、後期陣痛が落ち着いたあたりから下着等に触れると痛いので座ることができませんでした。 特にトイレが激痛で傷口がしみるのでトイレが怖くなったり、下腹部からお尻に力が入れられなくなったり(また避けるんじゃないかという恐怖感が芽生えてしまい)とにかく1週間はトイレに行くのが苦痛でした。 切開してもらった傷口と違い治りも時間がかかるそうで、1ヶ月くらいトイレと入浴時はしみて痛かったです。 極力締め付ける下着類は控えることと、トイレ時はトイレットペーパーを使わず清浄綿を使用していました。 それで傷口の痛みは随分緩和しました。 怖いと思いますが、積極的にトイレは行くようにした方がいいと思います。 怖くて出せなくなった人の話を病院で聞きました。 痛みは我慢せず、一度病院の先生や看護師さんに相談するのもいいと思います。 私の場合は痛みを酷いことを伝えると授乳のことも考えながら痛みどめの薬も処方してくださいました。(奈良県 H.M) |
まとめ
会陰裂傷は会陰部分が自然に裂けてしまうこと、会陰切開は会陰部分をあらかじめ人工的に切っておくことという違いがあります。
ただ、会陰切開をしていてもさらに大きく裂けてしまい、会陰裂傷となってしまうこともあります。
会陰裂傷を予防するためには、会陰マッサージで会陰部分を柔らかくして伸びやすくしておくことが効果的です。
産婦人科で指導してくれることも多いので、助産師さんに相談してみましょう。
また、分娩中にいきみ逃しをうまくしてあげることも会陰裂傷を防止するうえで大事になります。
会陰マッサージやいきみ逃しで、できるだけ会陰裂傷のリスクを下げてくださいね。