突然の発熱や胸の痛みに悩まされるママさんたちはたくさんいます。
病院で診察を受けると「乳腺炎」と診断されることが多いのですが、なぜ乳腺炎になってしまうのでしょうか。またどのように対処すればいいのでしょうか。
先輩ママの体験談から、乳腺炎の対処方法などを見ていきましょう。
乳腺炎の原因と対処法法
乳腺炎とはその名の通り乳腺が炎症を起こしてしまう症状です。
「急性うっ滞乳腺炎」と「急性化膿性乳腺炎」があり、それぞれ原因が違っています。
急性うっ滞乳腺炎
急性うっ滞乳腺炎とは、授乳期において乳腺に母乳が詰まってしまうことで起こります。
供給される母乳の量より排出される母乳の量が少ないと、乳腺に母乳がたまりすぎて詰まってしまうのですね。
対策としては、赤ちゃんに母乳をたくさん飲んでもらうこと、自分自身で余分な母乳を搾乳することが必要となります。
また同時に患部(痛い場所)を冷やすことで、痛みを抑える効果もあります。
赤ちゃんに母乳をたくさん飲んでもらうのも限界があるので、患部をマッサージして自分で搾乳する必要がありそうですね。
先輩ママたちの体験談を見ると、看護師さんや助産師さんにマッサージをしてもらって楽になったようなので、自分自身で頑張りすぎず、看護師さんや助産師さんに手助けをしてもらうといいのではないでしょうか。
急性化膿性乳腺炎
急性化膿性乳腺炎とは、乳腺に細菌が感染することで膿がたまってしまうことで起こります。
赤ちゃんの授乳の際に、赤ちゃんの歯で乳首に傷ができ、そこから細菌に感染してしまうのですね。
激しい痛みと発熱などの症状が出るので、すぐに病院で診察を受けたほうがいいです。
自分自身では、急性うっ滞乳腺炎と急性化膿性乳腺炎の区別がつきにくいので、乳腺の痛みやしこりがあった場合、なるべく早い時期に病院で診察を受けるといいのではないでしょうか。
乳腺炎の予防方法
乳腺炎の多くは母乳が詰まることによって引き起こされます。まずはこの詰まりが起こらないようにすることが大事になるのですね。
それではどのような方法でつまりが起こらないようにすればいいのでしょうか。
食事に気を付ける
母乳の質が悪くなると、どうしても詰まりやすくなってしまいます。
水分を十分に補給し、食事も野菜などをたくさん含んだバランスのいいものを摂取しましょう。
やはり脂質の多い洋食より、和食のほうが栄養のバランスがいいようです。
野菜がたくさん含まれた和食を食べることを心がけてくださいね。
授乳間隔をあけすぎない
授乳間隔をあけすぎると、供給過多になり母乳が詰まってしまいます。
できるかぎり一定間隔で赤ちゃんに授乳させてあげましょう。
もし赤ちゃんがあまり授乳をしないときは、自分自身で搾乳して母乳をためすぎないように心がけましょう。
授乳間隔は人それぞれ違いがありますが、胸が張ったまま放置すると乳腺炎になりやすいので、適切な授乳間隔を見つけてくださいね。
特に夜の授乳をさぼってしまうと乳腺炎が悪化してしまうことがあります。
夜は授乳間隔が開きやすくなってしまいますが、できるだけ授乳をするか、自分で搾乳をして間隔をあけすぎないよう注意してくださいね。
同じ体勢で授乳をしない
いつも同じ体勢で授乳をしていると、乳腺の一部に母乳が残ったままになり乳腺炎を起こすことがあります。
「横抱き」「縦抱き」「フットボール抱き」などいろいろな体勢で赤ちゃんに授乳をしてあげましょう。
また片方ばかりでなく、両乳をきちんとバランスよく授乳させてあげることも必要です。左右両方をバランスよく授乳してくださいね。
胸を圧迫しすぎない
乳腺炎は母乳のつまりが主な原因なので、胸を圧迫しすぎることもよくありません。
妊娠前のブラジャーだとサイズがきつすぎることもよくあるので注意が必要です。授乳用のブラジャーなどをうまく利用したいですね。
また下を向いたうつぶせの体勢で寝てしまうと、胸を圧迫し続けることになるのでこれもよくありません。
意識的にあおむけや横向きで寝るように努力してくださいね。
先輩ママの体験談とアドバイス
強烈な頭痛と39.2度の熱が出て、強い胸の痛みを感じ、救急に行ったら乳腺炎と診断されました
三女が生後7ヶ月の時、丁度お正月でした。 年の離れた長女、次女共に特に大きなオッパイトラブルが無かった私は、今考えると本当に油断していました。 授乳中は太らないのを良いことに、何でも好きな物を食べていたのです。 そして迎えたお正月、、、注文した豪華なお節は洋風で伊勢海老や沢山の種類のお肉、そしてカマンベールチーズが丸々一個。 好き放題食べてしまった私を、強烈な頭痛と39.2度の熱が出て、インフルエンザを一瞬疑いましたが、強い胸の痛みを感じ、救急に行ったら乳腺炎と診断されました。 乳腺炎に関する情報は沢山有るのに、育児経験を重ねるに従って楽観的になり過ぎてました。 過信せず、授乳中の食事に気をつければ良かったです。 授乳中の注意事項はネットや育児雑誌で目にされてると思うけど、書かれてること全てを実践する事は難しいかもしれません。 育児中のママは自由に遊びにも行けないし、楽しみはお家での食事にオヤツ、、そんな気持ちも凄く分かります! でも、あなたが乳腺炎にかかって1番困るのは、お母さんと離され、オッパイを貰えなくなってしまう赤ちゃんです。 その事を胸の片隅に少し置いて、毎日ハッピーな生活を過ごしてください。(熊本 S.S) |
シコリが出来かかった時点で胸を冷えピタで冷やしたりしています
私はかなり母乳の出が良いので、気をつけていても乳腺炎にはなってしまいます。 まず胸にしこりができて、母乳の出が悪くなり、寒気がして、熱が出ます。 ひどい時は母乳を飲ませてあげられなくて大変でした。 軽い症状ならば自宅で胸を冷やし、自分で詰まった母乳を抜きます。 けれどひどい時はかかりつけの助産師さんにお願いしてマッサージをして頂き、詰まりを取ってもらっていました。 とても楽になるので助かります。 乳腺炎は繰り返しなるので中々注意をしていてもならないようにするのは難しかったです。 日頃から残った母乳は自分で絞ってつまらないように気をつけていました。 シコリが出来かかった時点で胸を冷えピタで冷やしたり、自分なりに処理できるようになればひどい乳腺炎は避けられると思いますよ。(大阪府 E K) |
自分で搾乳したり、看護師さんにマッサージをしてもらったりして対処しました
私は出産してすぐの入院中に乳腺炎になりました。 おっぱいがすごくよく出る方だったみたいで、生まれたばかりで我が子の飲む量が少なかったり、片方だけ飲んで寝てしまったりして、おっぱいがパンパンに張って熱が出ました。 寝返りをするのも辛いくらい痛くて、自分で搾乳したり、看護師さんにマッサージをしてもらったりして対処しました。 私は入院中だったのですぐ先生や看護師さんに相談する事ができましたが、退院して子育てが始まるとなかなか病院に行くのも大変だと思います。 でもそのうち治ると思わず、悪化する前にちゃんと病院で診てもらった方がいいと思います。 |
すぐ漢方の葛根湯を飲み、お風呂で痛いけれど我慢して必死でおっぱいマッサージをしました
子どもが生後5か月ぐらいの時に乳腺炎になりました。 上の子が2人いて、上の子の時にも何度か乳腺炎になってしまったことがあったので、乳腺炎になったことはすぐに分りました。 詰まりだすと、すぐに発熱しとにかくおっぱいが痛くなりました。 詰まりかけていると感じたときに、すぐ漢方の葛根湯を飲み、お風呂で、痛いけれど我慢して必死でおっぱいマッサージをしました。 そして赤ちゃんにたくさん飲んでもらうようにしました。 上の子たちの時も葛根湯が処方されたので、すぐに対処することが出来ました。 乳腺炎になってしまうと、おっぱいは痛いし、発熱して体はだるくなってしまうし、家事や育児は待ってくれないし…。 とにかく辛いし大変ですよね。おっぱいが張ってきたら、とにかく冷やして炎症を鎮めるようにしてくださいね。 逆に飲ませるときは、温めておっぱいを出しやすくするといいですよ。 ただし我慢しすぎると、おっぱいを切開しなくてはならなくなる場合もあるので、不安に感じたら我慢せず、すぐに医療機関を受診してくださいね。 |
助産院でお灸で処置され、楽になりました
産後4ヶ月くらいの頃でした。 急に悪寒がして、39度の高熱が出ました。産婦人科を受診すると、乳腺炎だろうということで、おっぱいマッサージをしてもらいました。 しかしよくならず、人から紹介で聞いて助産院に行きました。 飲めてない乳腺のところにどんどん溜まっていて、膿になっていたようです。 お灸で処置され、楽になりました。 子育ての先輩たちと話をすると、いろいろな経験をされてあり、対処にもたくさん参考になる事があります。 ひとりで悩まずに、周りにいる先輩ママたちにアドバイスをもらいながら、ひとりで抱え込まず乗り越えて欲しいと思います。(福岡県、Y.U) |
まとめ
乳腺炎になるとまず痛みがつらいです。また症状がひどくなると発熱などが出ることがあります。
急性うっ滞乳腺炎のことが多いですが、まれに乳首の傷口から細菌に感染する急性化膿性乳腺炎であることもあります。素人判断ではなかなかどちらかの区別がつきにくいので、早めに病院で診察してもらうことをお勧めします。
急性うっ滞乳腺炎は、母乳が詰まらないように授乳間隔を空けすぎないようにすることが大事になります。
また胸を圧迫しないことや、いろいろな体勢で授乳をすること、バランスのいい食事をとることなどで予防することもできますので、まずは乳腺炎にならないように工夫をしてみてくださいね。