「妊娠中って、お寿司を食べたらだめなの?」
妊娠中はお寿司を食べてはいけないという話をよく聞きます。マグロに含まれる水銀が妊婦にはよくないと言われますが、それではマグロ以外のネタは食べても大丈夫なのでしょうか。それともダメなのでしょうか。
先輩ママの体験談から、妊娠中にお寿司を食べたていたのか、何か悪影響はあったのかなどについて見ていきましょう。
目次
なぜ妊娠中にお寿司を食べてはいけないのか?
そもそもなぜ妊娠中にお寿司を食べてはいけないのでしょうか。
水銀の影響
マグロやクジラなど食物連鎖の上位にある魚などには、メチル水銀が含まれていることが研究結果により判明しました。
小魚などに含まれた水銀が、大型のマグロやクジラなどの体内で濃縮されてしまうのですね。
日本人が通常食べる量程度であれば問題ないとの学説もあるのですが、最近気になる研究結果が発表されました。
マグロやメカジキなどメチル水銀を比較的多く含む魚介類を妊婦が食べ過ぎると、生まれた子の運動機能や知能の発達に悪影響が出るリスクが増すことが、東北大チームの疫学調査で分かった。メチル水銀は水俣病の原因物質だが、一般的な食用に問題のない低濃度の汚染でも胎児の発達に影響する可能性があることが明らかになるのは、日本人対象の調査では初めて。
濃度が最高レベルの人たちの子は最低レベルに比べ、1歳半時点で実施した「ベイリー検査」という運動機能の発達の指標の点数が約5%低かった。乳幼児期の運動機能は将来の知能発達と関連があるとされる。3歳半時点の知能指数検査では男児のみ約10%の差があった。
研究チームの仲井邦彦・東北大教授(発達環境医学)は「目安を守れば、影響は心配しなくてよいと考えられる。魚には貴重な栄養も含まれており、妊婦が魚を断つことは好ましくない。食物連鎖の上位にいるマグロなどを避けサンマなどを食べるなど、魚種を選ぶことが大切だ」と話す。
正直なところ、低濃度のメチル水銀と胎児の発達に関しては、まだまだ十分に解明されていないというのが実態なのですね。
記事中にもあるように、食べてもいい目安をきちんと守ることがまずは一番大事になってきます。
厚生労働省によると、妊婦が注意すべき魚介類の種類とその摂食量(筋肉)の目安は次のようになっています。
摂食量(筋肉)の目安 | 魚介類 |
---|---|
1回約80gとして妊婦は2ヶ月に1回まで(1週間当たり10g程度 | バンドウイルカ |
1回約80gとして妊婦は2週間に1回まで(1週間当たり40g程度 | コビレゴンドウ |
1回約80gとして妊婦は週に1回まで(1週間当たり80g程度) | キンメダイ メカジキ クロマグロ メバチ(メバチマグロ) エッチュウバイガイ ツチクジラ マッコウクジラ |
1回約80gとして妊婦は週に2回まで(1週間当たり160g程度) | キダイ マカジキ ユメカサゴ ミナミマグロ ヨシキリザメ イシイル カ クロムツ |
お寿司一貫のネタは15グラム程度ですので、妊婦さんがマグロを一貫を食べたからと言って、目安量からすると特に問題はありません。
ただ、マグロなど一部の魚介類には水銀が含まれていることをきちんと認識して、総摂取量を考える必要はあるでしょうね。
きちんとリスク管理をすることが大事になってきそうです。
食中毒の注意も必要
お寿司は生ものですので、水銀だけでなく食中毒のリスクも考えなくてはいけません。
気を付けるお寿司のネタ・刺身の種類について見ていきましょう。
サーモン・イクラ
サーモンやイクラには、リステリア菌という細菌が感染していることがあります。(人間に感染することは非常にまれですが・・・)
きちんと加熱すればリステリア菌は殺菌されるのですが、生で食べるお寿司や刺身は妊娠中は食中毒のリスクのある食べ物と言えるでしょう。(スモークサーモンは殺菌されないので注意しましょう。また生ハムや生チーズなども注意しましょう。)
リステリア菌は死産や流産のリスクがあるので、できるだけこれらの食品は避けたいですね。
サバ
生のサバやイカなどには、アニサキスという寄生虫が存在していることがあります。
サバやイカに限らずイワシ、カツオ、サーモン、サンマ、アジなどその他いろいろな生の魚にアニサキスは寄生しています。
リステリア菌の感染は非常にまれですが、アニサキス症はそれほど珍しくありません。
先日もお笑い芸人の山里亮太さんが、アニサキス症に感染して休養していました。
アニサキス症に感染すると、胃腸に激痛を感じます。
妊娠中はリスクのある生魚はできるだけ避けたほうがいいのかもしれません。
カキ(牡蠣)
生ガキで食中毒になることはよく知られています。
妊娠中は免疫力が下がっているので、生ガキには注意が必要です。
最近は出荷前にUV殺菌されているので安全性は高くなってきているのですが、できるだけ避けたほうがいいのではないでしょうか。
ウナギ
ウナギにはビタミンAが豊富に含まれています。
ビタミンAのレチノールは、妊娠中に過剰に摂取すると体内に蓄積されてしまうので、胎児に悪影響を与える可能性があると考えられています。
ただ、たまにウナギのお寿司を一貫・二貫程度食べたからと言って特に影響はないでしょう。
また、鳥や豚のレバーにもビタミンAはたくさん含まれています。
あまり偏ってウナギやレバーを食べることのないように注意しましょう。
先輩ママの体験談とアドバイス
水銀など影響を知ったのは、妊娠中期にさしかかった頃でした
妊娠中にお寿司は月に一度は食べていました。 水銀など影響を知ったのは、妊娠中期にさしかかった頃でした。 特にマグロに気をつけた方がいいと聞きました。 でも、私はもともとマグロは食べないので、安心した覚えがあります。 お寿司を食べてお腹を壊したこともありません。 妊娠中は免疫も弱くなるので、お寿司を食べてお腹が痛くならないか心配になることもあると思います。 でも、衛生状態のいいお寿司なら食べても問題ないと思います。 ただ、マグロは水銀が溜まりやすいと聞くので、避けた方がよさそうです。 (兵庫県 H.Y) |
妊娠初期はやっぱり生物は控えてました
元々お寿司とかが大好きなので、妊娠中数回行きました。 でも妊娠初期はやっぱり生物は控えてました。 お寿司を食べたのも妊娠中期の後半ぐらいからです。 マグロは水銀が多いと聞いたので避けました。 妊娠後期で一貫か二貫程度食べたぐらいです。特に問題は無かったです。 もともと便秘もあったので、特に下痢などの症状もありませんでした! あまり神経質になってもいけないので食べたいものは食べる!って感じがいいと思います。 でもマグロはやっぱり水銀が多く含まれてるので、避けた方がいいと思います。 妊娠初期は特にお寿司やナマモノは避けた方がいいかと… 産まれてからも油っこいものなど、食べれる物が限られるので食べれる時に食べたらいいと思います! (北海道 k.k) |
不安で妊娠6ヶ月までは食べませんでした
ナマモノの心配もあったり水銀の心配があったので、なるべくお寿司は控えました。 大きい魚は悪いとかいろいろあるので、不安で妊娠6ヶ月までは食べませんでした。 妊娠前は回転寿司にたくさん行っていたので、手軽だし旦那さんも食べたいとの事で妊娠6ヶ月以前も行きましたが、おうどんやサラダ巻きなどを少量食べました。 6ヶ月以降もたまに行きましたが、うどんや天ぷら等のナマモノ以外のお寿司を食べていました。 厨房側がナマモノを触った手袋で他の物も調理していると考えると不安になりましたが、特に何も起きなかったのでよかったと思います。 気にすれば気にするほど不安になってしまうと思います。実際わたしもとても神経質になりました。 不安になったらなるべく避けて行った方が良いのかなと私は思います。 実際妊婦さんをお寿司屋さんで見ましたが、気にせず食べている方もいました。 私は不安だったし後悔はしたくなかったので、自分の納得いくものだけを食べました。 お寿司に限らず食べ物には気をつけて頑張ってください。 (群馬県K.K) |
お寿司やお刺身は食べないように心がけていました
妊娠が分かった時から、お寿司やお刺身は食べないように心がけていました。 水銀による影響もネットなどで見て知っていたし、病院の母親学級で栄養士さんが生ものは極力控えるようにとお話をされていました。 でも、その時期はちょうど結婚式にお呼ばれする機会も多く、もともとお寿司も好きなので、そういう特別な時だけ食べるようにしていました。 食べてから下痢になったり、赤ちゃんの成長などの妊娠経過に悪い影響が出た事も私の場合は無かったので、多少は食べてもいいのではないかと思います。 ただ、自分の体調が良い時だけにした方がいいのかな、とは思います。 妊娠中は、我慢することや気をつけた方がいいことがたくさんあると思います。 お寿司などの生ものを食べるかどうかも、その中の一つです。 食べて後悔してしまうなら、赤ちゃんのため!と思って食べない方がいいと思いますが、神経質になりすぎることはかえって赤ちゃんにとって良くないと思います。 特別な日にみんなと楽しく食事をする事は気分転換にもなるので、特別な日だけ!っと決めて食べるのもいいのではないかと思います。 ただ、体調管理は大切なので、そこは自分の体調と相談して判断した方がいいと思います。 (埼玉県 S.K) |
高齢出産ということもあり妊娠中はお寿司は控えました
妊娠中はお寿司は控えました。 高齢出産ということもあり、なるべくリスクを減らしたいと考えたからです。 ただお寿司が大好きでがまんする事ができずストレスを感じるようならば、少量なら食べてもいいのではないかと思います。 お寿司に限らず、カフェインが良くないと言ってもコーヒーを毎日飲む人もいますし、妊娠中もストレスにならない程度で楽しむのはいいと思います。 がまんしすぎない事もお腹の赤ちゃんにとっては大事な事かもしれません。 (静岡県K.N) |
まとめ
妊娠中にお寿司を食べてはいけないという話はよく聞きます。
妊娠中は免疫力が弱くなっているので、お寿司に限らず生ものの摂取はできるだけ避けたほうがいいです。
またお寿司のネタで人気のあるマグロなどには、水銀が含まれていることもあります。
お寿司1貫・2貫程度食べても特に影響はないと考えられているのですが、摂取量をよく計算しておく必要はあるでしょう。
お寿司は生ものですので、食中毒の危険性は常に付きまとっています。
生ものを食べる時は、衛生状態などによく気を配る必要があるでしょう。