乳児用液体ミルクというものを皆さんはご存知ですか?
小池百合子都知事が選挙時に乳児用液体ミルクの普及について公約を掲げていましたね。
日本のスーパーなどの店頭で販売されているのは、「粉ミルク」ですよね。粉末状になったミルクをお湯で溶かして赤ちゃんに飲ませてあげます。
しかし液体ミルクは、その名の通り粉ではなく液体なので、開封して付属の乳首を付けるだけでそのまま赤ちゃんに飲ませることができるという便利なものです。
この乳児用液体ミルクが、ついに日本でも発売される可能性が出てきました。
目次
乳児用液体ミルクが解禁へ
政府は、国内で法令が未整備のため流通していない乳児用液体ミルクの「解禁」に向けた検討を始めた。本年度中に方針をまとめる。
液体ミルクは子連れで外出する際の携帯にも便利で、海外では広く普及している。内閣府の男女共同参画会議はこのほど、諸外国と比べて家事や育児をする時間が短い男性の意識改革に向け、専門調査会を設置。液体ミルク解禁に関しても議論する。
引用元: 乳児液体ミルクを解禁へ
まだ解禁に向けた検討をし始めた段階なのですが、かつての過程を考えると前進であると言えるでしょう。
これまで東日本大震災・熊本大地震と大地震が起こるたびに液体ミルクの解禁について要望する声がママさんたちからあったのですが、正直なところまったく液体ミルク解禁の方向へは進んでいきませんでした。
実はアメリカなど諸外国では、液体ミルクは粉ミルクと同様に普通にスーパーや薬局などで販売されています。
外国では珍しいものでもなんでもなく、一般的に育児に利用されているのです。
外国で普通に流通・普及しているのに、日本で流通・普及させることができないことはないですからね。
解禁の方向ということは、数年後は日本でも液体ミルクがスーパーや薬局で販売される日が来ると思います。
できる限り早く解禁してもらいたいものです。
ところで乳児用液体ミルクとはどのようなもので、どのようなメリットがあるものなのでしょうか。基本的なところを見ていきましょう。
乳児用液体ミルクとは
乳児用液体ミルクとは、ミルクが液体になったものです。
といっても、ミルクは本来なら液体ですよね。
日本で乳児用ミルクといえば普通は粉ミルクを指しますが、粉ミルクは作るための手間がかかるというのが正直なところです。
粉ミルクは手間がかかる
粉ミルクは皆さんもご存知の通り、粉ミルクをきちんと煮沸消毒された哺乳瓶に入れ、滅菌された70℃以上のお湯で粉ミルク溶かした後に、人肌程度まで冷ましてから赤ちゃんに飲ませてあげるという手順が必要です。
夜中に眠たい目をこすりながら粉ミルクを作ったという経験をしたことのある方は少なくないと思います。
しかし液体ミルクならこのような手間がなくなります。
開封して付属の乳首を装着するとすぐに赤ちゃんに飲ませてあげることができるのです。
まさにペットボトルのお茶を飲むぐらいの感覚です。
赤ちゃんが飲み終わった液体ミルクは、そのままごみ箱に捨てるだけです。(乳首は煮沸消毒して再利用することがあります。)
このように乳児用液体ミルクは、すぐに常温で利用できるので、いろいろな場面で活躍が期待されます。
乳児用液体ミルクの活躍の場面
それではどのような場面において、乳児用液体ミルクは役に立つでしょうか。
夜中の授乳が楽に!
夜中の授乳は本当に大変ですよね。
特に真冬などは寒い中でお湯を沸騰させて粉ミルクを作ってあげなくてはいけません。
しかし液体ミルクならお湯を沸騰させる手間なく、赤ちゃんにミルクを飲ませてあげることができます。
これで大変な夜中の授乳もかなり楽になりますよね。
外出先での授乳が楽に!
外出先での授乳は荷物も多くなるし、場所も必要だしで大変です。
ちょっと長めの外出になると、哺乳瓶やお湯を何本も用意しなければならないこともあります。さらに調合する手間もかかりますね。
しかし液体ミルクなら、液体ミルク本体のみの荷物で大丈夫です。
常温でそのまま飲ませてあげることができるので、ちょっとベンチがあれば授乳することもできますね。
パパさんでも楽々授乳OK
休みの日など、粉ミルクを調合して作る係を任されているパパさんもいるのかもしれません。
正直パパさんにとっては面倒くさい作業といえるのではないでしょうか。(ママさんの手前、口には出さないでしょうけど・・・)
しかし液体ミルクなら開封して付属の乳首を付けるだけなので、面倒くささはほとんどありません。
これならパパさんも、積極的に育児に参加してくれるのかもしれないですね。
いっそ夜中の授乳もパパさんに任してしまってもいいのかもしれませんね(笑)。
震災時など非常時でも大活躍
震災などで避難所生活を送らなくならなければならないケースは、いつ自分自身の身に降りかかってくるかわかりません。
実際に避難所生活を送った方の意見では、赤ちゃんの授乳がかなり難しかったようです。
母乳育児の方はまだ何とかなりますが、ミルク育児の方は本当に困ってしまいますよね。
そもそも水がない、ガスがない、電気がないといったライフラインがストップしている状況だと、粉ミルクを作ること自体が非常に難しくなってしまいます。
しかも避難所ではこのような水やガスがない状態は普通に起こり得るものです。
そんな時にもし液体ミルクがあれば、赤ちゃんの授乳に困ることもなくなりますよね。
実際に震災が起こった時は海外から乳児用液体ミルクが避難物資として提供されるのですが、多くのママさんたちがとても助かっているようです。
しかし現在のところ日本では乳児用液体ミルクは流通していません。
海外から取り寄せるしかないということですよね。それでは残念ながらタイムラグが生じてしまいます。
最も乳児用液体ミルクが必要な震災直後に利用することはできないです。一番液体ミルクが必要なのは、ライフラインがストップしてしまっている震災発生直後の数日間です。
今後日本で液体ミルクが流通・普及し始めたら、すぐに被災地に届けることができるようになるので、震災直後などに多くのママさんを助けることになるでしょうね。
このように乳児用液体ミルクは多くのメリットがあります。素晴らしいですね。
しかし一方デメリットはあるのでしょうか。こちらも公平に見ていきましょう。
液体ミルクのデメリットとは?
液体ミルクのいい面ばかりを見てきましたが、悪い面、いわゆるデメリットはあるでしょうか。
価格が割高
アメリカなど欧米諸国では乳児用液体ミルクは普通に使われています。
しかし粉ミルクと比較すると、やはり多少割高になるようです。
価格はメーカーなどによっても違うのですが、アメリカなどの販売価格は、200mlの液体ミルクで2ドル~3ドルくらいでしょうか。(ざっくりですいません。)
現在アマゾンなどで個人輸入できる液体ミルクを検索してみると、1本700円から1000円以上しますね。これはさすがに高すぎです・・・。セレブ以外は手が出ない価格です。
ただすべての授乳において、液体ミルクを使用する必要はありませんよね。
夜中だけ、外出時だけ、といったように上手に利用できればいいのではないでしょうか。
このように上手に利用すれば、価格の面でも負担が軽くなります。
今後日本でもたくさん液体ミルクが流通・普及し、大量生産されれば価格も低下してくると思いますので、期待したいですね。
どんどん流通して、缶ジュースやペットボトルのお茶ぐらいの価格で流通してくれるとうれしいのですが、どうなるでしょうか。
衛生面は問題なし
液体ミルクと聞いて、「衛生面的に大丈夫なの?」と不安を持つ方もいるのかもしれません。
実は世界的には、液体ミルクは粉ミルクよりも安全なものと考えられています。
粉ミルクは調合の過程で雑菌が混入してしまうリスクがありますが、液体ミルクは専用の工場で無菌充填されているので、安全面は問題ないと言っていいでしょう。むしろ安全です。
このように、液体ミルクのデメリットは価格面だけといってもいいです。
もし大量に流通して安く購入することができれば、かなり育児に役立つ製品になると思います。
ママさんたちの強い味方になるということですね。
今回はまだ解禁の方向という話なので、すぐに液体ミルクがスーパーなどで購入できるわけではありませんが、できるだけ早く液体ミルクが簡単に購入できる世の中になってもらいたいものですね。