乳児ボツリヌス症で6か月の赤ちゃんが死亡するという痛ましい事故が起こりました。

これは生後6か月の赤ちゃんが、離乳食としてハチミツを混ぜたジュースを1か月前から与えられていたということのようです。

東京・足立区の生後6か月の男の子が、離乳食として与えられた蜂蜜が原因と見られる乳児ボツリヌス症で死亡していたことがわかりました。乳児ボツリヌス症の死亡例は全国で初めてで、東京都は1歳未満の乳児には蜂蜜を与えないよう注意を呼びかけています。

1歳未満の乳児にはハチミツは禁止

1歳未満の赤ちゃんにハチミツを食べさせてはいけません。

ハチミツにはボツリヌス菌が含まれている可能性があるので、まだまだ腸内環境が未発達の赤ちゃんには危険な食品なのですね。

 
大人の腸内環境だと、ボツリヌス菌の芽胞が増殖できないために特に問題はないのですが、赤ちゃんにとっては今回のように最悪の場合に死亡することもあります。

ですので1歳未満の腸内環境が未発達の赤ちゃんには、絶対にハチミツを食べさせないようにしましょう。

これまでも乳児ボツリヌス症の危険性についてはよく広報されていましたが、統計がある昭和61年以降に死亡者はでていませんでした。

死亡者が出ていなかったからでしょうか、お母さん方の中には「大丈夫だよ」と考えてハチミツを与えている方もいるようです。

しかし今回のような事故が実際に起こる可能性があるので、絶対に与えないでください。

黒砂糖にもボツリヌス菌が?

ハチミツ以外にボツリヌス菌が含まれている可能性のある食品はあるのでしょうか。

じつは、「黒砂糖(黒糖)」にもボツリヌス菌が含まれている可能性があると考えられています。

黒砂糖は精製する過程において、ボツリヌス菌芽胞が混入してしまう可能性があるので、1歳未満の赤ちゃんには黒砂糖を与えることもやめておきましょう。

例えば、黒糖入りのパンなども与えないように注意するということですね。

井戸水にも注意が必要

最近はほとんど井戸水を利用することがなくなりました。

しかし地方などではまだ井戸水を利用している家庭もあるのかもしれません。

実は、この井戸水にもボツリヌス菌が含まれていることがあります。

1歳未満の赤ちゃんには、井戸水を与えることもやめておいた方がいいということですね。

実際に、井戸水を利用したことによる乳児ボツリヌス症が発症しているケースがあります。

1歳未満の赤ちゃんに井戸水を与えないようにしてください。

その他ボツリヌス症に危険な食品は?

日本では過去に、「井戸水」「自家製のアユのいずし」「あずきばっとう(あずき餡とうどんを混ぜたもの)」などにより、ボツリヌス菌による食中毒が発生しています。

またIDWR(国立感染症研究所感染症情報センター)のホームページによると、ハチミツや黒砂糖の他にもコーンシロップや野菜ジュースなどもボツリヌス菌の芽胞による汚染の可能性がある食品として取り上げられています。

離乳前の乳児は、離乳後にくらべると腸管内の微生物叢がまだ不安定で、ボツリヌス菌の感染に対する抵抗力が低いと考えられている。そのため、乳児ボツリヌス症の予防には、芽胞による汚染の可能性がある食品(ハチミツ、コーンシロップ、野菜ジュースなど)を避けることが唯一の方法である。

ハチミツや黒砂糖の他にも、コーンシロップや野菜ジュースも乳児ボツリヌス症の危険性があるのですね。

野菜ジュースというのはちょっと意外でした。

調べてみると、東京都で自家製の野菜ジュースが原因で乳児ボツリヌス症になった事例があるようです。

自家製の野菜ジュースは、衛生状態によってボツリヌス菌が混入する可能性があるのですね。

まとめ

乳児ボツリヌス症は怖いものですが、あまり気にしすぎるのも不安ばかりが大きくなって精神衛生上よくないかもしれません。

ハチミツや黒砂糖、井戸水など危険性のある食品を避ければ、それほど恐れる必要はないと思います。

過剰に恐れる必要はありませんが、ハチミツは身近な食品なのできちんと注意してあげてくださいね。