アトピーのかゆみを抑える新薬「ネモリズマブ」が、2年後の2019年の発売を目指し開発されていることがニュースで報道されていました。

この新薬「ネモリズマブ」を投与すると、6割~7割のアトピー性皮膚炎の患者が、かゆみが50%軽減されたということなので、かなりその効果に期待できるのではないでしょうか。

アトピーはかゆみを抑えることがとても大事です。

特に子供の場合は、かゆみが強いと無意識に掻きむしってしまうことがあるので、余計にアトピーが悪化してしまうことも珍しくありませんからね。

このようなかゆみを抑制することのできる薬というのは、アトピー対策として非常にいいと思われます。

どんな新薬?

アトピー性皮膚炎について、開発中の新薬を中等~重症の患者に使用したところかゆみの改善が確認されたと、京都大大学院医学研究科の椛島(かばしま)健治教授(皮膚科学)らの国際研究チームが発表した。
開発中の新薬「ネモリズマブ」は、アトピー性皮膚炎のかゆみと関係すると考えられているタンパク質の一種「インターロイキン31(IL(アイエル)-31)」を標的にした治療薬。皮下注射で月1回程度の投与を行う。

「ネモリズマブ」は今回初めて話題になったわけではなく、昨年度からアトピー治療薬として結構話題になっていた新薬です。

「ネモリズマブ」は、かゆみと関係すると考えられている「インターロイキン31(IL-31)」を阻害することで、かゆみを抑制する治療薬となっています。

アトピーを根治するという治療薬ではなく、かゆみを抑える効果が期待できる治療薬です。

ここ最近は、アトピー性皮膚炎の治療薬がいろいろな製薬会社でよく開発されています。

中外製薬が発売予定の「ネモリズマブ」も、その一つになるのですね。

月に1回程度皮下注射を行う

今回開発中のアトピーのかゆみを抑える新薬「ネモリズマブ」は、従来よくアトピー治療で用いられる塗り薬ではなく、皮下注射することにより効果を発揮するものとなっています。

アトピーの治療薬と言えば、ファーストチョイスとして「ステロイド軟膏」になりますよね。

しかしステロイドはその副作用も大きいために、多くの方が副作用に苦しめられていることも事実です。

脱ステロイドを目指す方も多いですが、脱ステロイド治療も大変な苦労があります。

どんな病気の治療においても言えることなのですが、やはり副作用というものはかなり体に負担がかかります。

しかしながら、今回の新薬「ネモリズマブ」は臨床試験によると大きな副作用も見られなかったようなので、かなり期待が大きいです。

2019年に発売予定

すでに臨床試験が実施されており、2年後の2019年(平成31年)の発売を目指しているということなので、使用できるのはそれほど遠い日というわけではありません。

臨床試験の結果を見ると、かゆみを抑える効果が期待できそうなので、アトピー治療の福音となってほしいですね。

また今回ニュースになった新薬「ネモリズマブ」以外にも、今後はたくさんのアトピー治療薬が登場してきそうです。

例えば、フランスの「サノフィ」とアメリカの「リジェネロン」が共同開発するアトピー治療薬「デュピルマブ」もその一つです。

アトピー治療薬「デュピルマブ」とは

実は「デュピルマブ」は、2017年2月27日に国内で承認申請がすでにされています。

おおよそ承認申請から1年後ぐらいに承認されることが多いので、来年の今頃には「デュピルマブ」が発売開始されている可能性はあります。

「デュピルマブ」は、子供のアトピー性皮膚炎というよりも成人のアトピーの治療効果が大きい薬です。

デュピルマブの効果
中等症から重症の成人アトピー性皮膚炎患者109人を対象にした12 週間の試験では、重症度スコア(EASI)が50%低下した患者が、デュピルマブ群85%に対しプラセボ群35%でした。また、総合評価スコアが0~1(皮膚病変の消失,またはほぼ消失)であった患者は、デュピルマブ群40%に対しプラセボ群7%であったということです。
気になる副作用ですが、主な副作用は鼻咽頭炎と頭痛であったということです。

デュピルマブは、今回話題となった「ネモリズマブ」と同じく皮下注射をする治療薬で、どちらかというと重症のアトピー性皮膚炎患者に使用される薬となりそうです。

「ネモリズマブ」よりも早く日本では登場することになると思われますので、どれくらいの治療効果があるのかを期待したいですね。

まとめ

子供のアトピー性皮膚炎に悩んでいるお母さん方は多いです。

子供のアトピーは自然治癒することもあるのですが、長い期間悩まされてしまうこともあります。

アトピーに関する情報はネット上にも溢れるほどありますが、あまり悩みすぎないというのも一つの対処法です。

ある程度アトピーと共存して上手に付き合っていくうちに、自然治癒するということもあります。

悩みすぎずに前向きに共存するのも一つの考え方かもしれないですね。