「完全母乳だと赤ちゃんがくる病になる可能性がるらしいけど、大丈夫なの?」
2014年にNHKの「あさイチ」でくる病について紹介されたことで、くる病について多くのお母さんによく知られるようになりました。
くる病とはどのような病気なのか、またその予防方法はどうしたらいいのかについて見ていきましょう。
目次
くる病とは
くる病とは、どのような病気なのでしょうか。
くる病とは、成長期(骨の発育期)の小児でカルシウムが骨に沈着せず、軟らかい骨様組織が増加している状態をいいます。多くの場合、骨の成長障害および骨格や軟骨部の変形を伴います。
原因はビタミンD欠乏、ビタミンDの合成障害、ビタミンD受容体の異常、リンの不足、腎尿細管障害などさまざまです。
上記にもあるように、くる病はビタミンD、カルシウム、リンが不足することによって引き起こされる病気です。
子供がくる病になると、骨が成長障害を起こしO脚になることが多いようです。(もちろんすべてのO脚の子供がくる病というわけではありません。)
くる病は栄養状態のよくない昔はよく見受けられた病気なのですが、最近はこのくる病の赤ちゃんが増えてきているようです。
ちなみにアルプスの少女ハイジのクララも、くる病で立つことができなかったという設定だった噂がありますね。
なぜ最近くる病が増えてきているのでしょうか。
くる病が増えている原因
ビタミンDの摂取不足
くる病は、完全母乳で赤ちゃんを育てているときに発生することがあります。
粉ミルクはいろいろな栄養素が配合されており、ビタミンDもきちんと配合されているのですね。
粉ミルクをきちんと飲んでいるとビタミンDが不足するということは、通常起こらないようです。
しかし完全母乳の場合、お母さんにビタミンDが不足しているとまれにくる病を発生してしまうことがあります。
お母さん自身がビタミンD不足になると、母乳もビタミンDが不足してしまうということです。
その結果母乳しか飲まない赤ちゃんも、ビタミンDが不足してしまうのです。
完全母乳で赤ちゃんを育てているお母さんは、好き嫌いをせず特に「ビタミンD、カルシウム、リン」などの栄養素が含まれた食事をとる必要があるということですね。
もしお母さんが好き嫌いが多く偏った食事をしているのなら、意識的にビタミンDを摂取することも考えたほうがいいのかもしれません。
また赤ちゃんが5か月~6か月になって離乳食を始めた場合、「ビタミンD、カルシウム、リン」がきちんと摂取できるような離乳食を作ってあげる必要があるでしょう。
ビタミンDは、魚やキノコ類にたくさん含まれていますので、これらを含んだ栄養のある離乳食にしてあげるとよさそうです。
日光不足
最近は紫外線の悪影響についてよく知られてきたので、ちょっとした外出でも赤ちゃんに日焼け止めを塗るお母さんが増えてきています。
お母さん自身も日焼け止めを塗ったり紫外線を避けたりして、日光に当たる機会が昔よりかなり減ってきていることでしょう。
ビタミンDは日光に当たることにより体内で生成されます。
過度に日光に当たることは紫外線の影響もありますが、適度に日光に当たることは必要なのですね。
時間で考えると、毎日15分~20分程度日光浴をするとビタミンDがきちんと生成されるようです。
あまり紫外線を避けすぎることなく、適度な日光浴も必要ということですね。
完全母乳で赤ちゃんを育てているお母さんは、赤ちゃんとともにきちんと日光浴・外気浴をすることも必要となってくるでしょう。
昼中の強い日差しではなく、朝や夕方の紫外線が弱い時間帯にガラス越しに日光を浴びるだけでも十分ですので、まずは数分間の日光浴から始めてみてはいかがでしょうか。
先輩ママの体験談とアドバイス
離乳食にもしらすなど魚を入れるようにしました
完全母乳で育てるつもりはなかったのですが、ミルクを作るのが面倒で母乳ばかりあげてたら子供が母乳しか飲まなくなってしまいました。 そんな時に赤ちゃんのくる病を知りました。 まず予防の為にやったことは私がカルシュウムを取るため魚を食べるようにし、更に離乳食にもしらすなど魚を入れるなど 母乳と離乳食のどちらからでもカルシュウムを取れるようにしました。 完全母乳の方がくる病になりやすいのに離乳食を食べてくれなくて困ってませんか? うちの子はおっぱい大好きなので、離乳食に粉ミルクを入れたミルク粥や野菜のミルク煮などにすると、たべてくれるようになりました。 ぜひ試してみて下さい。(東京都 K.T) |
日差しが強くない時間を見計らいながら戸外に散歩するようにしました
最近、完母で育つ赤ちゃんにくる病が発症しやすい話をよく耳にするようになりました。 私は3人の子どもがいますが、3人とも完母でした。 そのため、くる病について、ちょっと気にしながらもどう対処したらよいか悩んだ時期もあります。 予防法として、生後6か月から混合に切り替えました。 また、日差しが強くない時間を見計らいながら戸外に散歩するようにしました。 離乳食を開始になってからは食事内容に気を配っていました。 最近の子育てで推奨している完母の影響でくる病を発症するのは、母親としてつらいですよね。 まして、紫外線にあたるのも良くないと言われると、くる病をどのように予防したらよいのかわからなくなります。 でも、思うことは、「推奨」であり「絶対守らなくてはならないことではない」ということ。 頑張りすぎないことがくる病の予防には良いのかもしれません(東京都 m.m) |
いい母乳をだすために野菜をたくさん食べるようにしました
わたしの娘がクル病と告げられましたのは、生後2ヶ月くらいの頃でした。 そのときになぜか娘の脚がO脚だなと思い始め、一度見てもらうことにしました。 そして見てもらった結果クル病と診断されることになりました。 クル病と診断されて、わたしはまず食生活の改善を心掛けるようにしました。 もともとあまり野菜を食べないのですが、いい母乳をだすために野菜をたくさん食べるようにしました。 そして、バランスよく食べるように心掛けました。(宮崎県K.K) |
家の中から太陽の光に当てるなどしていれば大丈夫だと思います
私はアメリカで出産したのでアメリカの情報になりますが、アメリカの小児科医にくる病を防止するために、ビタミンDのサプリメントを赤ちゃんに毎日飲ませるように言われました。 サプリメントと言っても液体で、乳首や清潔な指に1滴たらし赤ちゃんに吸わせるだけなので、簡単に続けられます。 くる病は確かに怖い病気なので心配になると思います。 私も子供が産まれて新生児の間は不安に思うこともありました。 しかし、家の中から太陽の光に当てるなどしていれば大丈夫だと思います。 それでも不安ならサプリメントを摂取してみてはいかがでしょうか。 |
日光からビタミンDを摂取できるように予防しました
赤ちゃんがくる病になってしまうのは、日光に当たらなかったり、母親自身が日光に当たらないことで赤ちゃんに必要なビタミンDを母乳に入れられないからです。 ですので昔の子どものように日光を気にせず、日光からビタミンDを摂取できるように予防しました。 くる病を気にするようになったのは、過度な紫外線対策をするようになったことも要因の一つです。 つまり、ご自身の子どもの頃は、日光を気にせず育てられたように、今の赤ちゃんも過度に日光を浴びないようにと気にしなくて良いのです。(北海道 M.H) |
まとめ
最近くる病になる赤ちゃんが増えています。
くる病の原因は、ビタミンD不足が大きな理由だと考えられています。
完全母乳で赤ちゃんを育てている場合、お母さんがビタミンDを不足しないように摂取することを心がけましょう。
また日光浴をするとビタミンDが体内で生成されるので、朝夕の紫外線が弱い時間帯に日光浴をすることも、くる病予防に効果があります。
くる病予防には、「ビタミンD、カルシウム、リン」が含まれた食事をし、日光浴を適度にすることが大事になってくるのですね。