
完全母乳にするか、それとも混合育児にするかはお母さんにとって悩むところでもありますよね。
完全母乳を推奨している産婦人科もありますし、そうでないところもあります。最近は母乳ブームが再び盛り上がっているようで、完全母乳のお母さんが増えてきているようです。
先輩ママたちは完全母乳を実際に体験してきて、どのようなメリット・デメリットを感じてきたのでしょうか。見ていきましょう。
完全母乳が増えてきている
2015年度に厚生労働省が実施した乳幼児栄養調査結果によると、2015年に完全母乳で育児をしているお母さんの割合は、生後1か月で51.3%、生後3か月で54.7%と、ともに50%を超える割合となりました。
これは過去20年で最も高い割合になっており、最近は完全母乳が一つのブームになっていると言ってもいいのかもしれないですね。
しかし完全母乳で育児をしたくても、母乳の出が悪いため、仕事をしたければいけないためなどの理由で、混合育児を選択するお母さんもたくさんいると思います。
混合育児と比較して、完全母乳にはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
完全母乳のメリット
赤ちゃんの免疫力が高まる
赤ちゃんはお母さんの母乳から免疫や栄養をたくさん摂ることができます。
母乳に含まれるIgAやIgGという免疫物質は赤ちゃんの免疫力も高めてくれるのですね。
荷物が少ないので外出が楽
完全母乳の場合、外出した時に哺乳瓶やお湯などを準備しなくていいので荷物がとても少なくて済みます。
赤ちゃんを抱っこしながら重い荷物を持ち運ばなくていいというのはうれしいですね。
経済的負担が少ない
完全母乳だと、当然ですが粉ミルク代が必要ありません。
粉ミルクは毎日必要なものなので、かなり経済的負担が減りますね。
赤ちゃんとのスキンシップ
おっぱいを上げている時間は赤ちゃんとの大切なスキンシップができる時間です。
お母さんは赤ちゃんの笑顔に癒されますし、赤ちゃんもお母さんから安心感を得ることができますね。
アレルギーが予防できる
完全母乳の場合、赤ちゃんがアトピーなどのアレルギーになる確率が低いとされています。
ただ一方で、お母さん自身がアレルギーを持っている場合、母乳を通じて赤ちゃんもアレルギーになるのではないかという話を聞くこともあります。
これについては真偽がまだ定かではなく、母乳自体が悪いというわけではなく、アレルギーの体質を遺伝的に受け継いでいるのではないかと考えられているようです。
産後ダイエットになる
完全母乳の場合、赤ちゃんがたくさん母乳を飲んでくれるので、お母さんの体重も減りやすいようです。
産後ダイエットは大変なものですが、自然と痩せていくこともあるようですね。
手間がかからない
完全母乳の場合、ミルクを作る作業が必要ありません。
お湯を沸かしてミルクを作り、それをひと肌程度まで冷ましてから飲ませてあげるという作業はかなり手間がかかります。
夜中の授乳などは眠い目をこすりながらの一苦労となりますね。
完全母乳のデメリット
預けることが難しい
完全母乳だと、哺乳瓶に慣れていない赤ちゃんは多いですよね。
友達の結婚式などで外出しなければならない時、実家などに預けてミルクを飲ませてあげることが難しくなることがあります。
授乳間隔が短くて大変
ミルクのほうが母乳よりも腹持ちがいいです。
完全母乳だと授乳間隔がミルクよりも短くなってしまうので大変になりますね。
どれくらい飲んだかわかりにくい
ミルクだと赤ちゃんが飲んだ量がきちんとわかりますよね。
しかし母乳の場合は飲んだ量というのがはっきりとはわかりません。
おしっこの回数や、体重の増加などに気を付けてあげる必要がありますね。
乳頭亀裂などが起こりやすい
赤ちゃんがおっぱいを飲むのが下手な時があります。
そんな時、乳頭亀裂など乳首のトラブルが起こりやすくなりますね。
卒乳・断乳が難しい
完全母乳で育った赤ちゃんは、卒乳や断乳を嫌がるケースが多くなるようです。
卒乳・断乳が難しくなるというのは覚悟しなければならないでしょうね。
完全母乳にこだわりすぎないように
世間の風潮は、完全母乳のほうがいいというものがまだまだあるようです。
しかし完全母乳にこだわりすぎると、それ自体がお母さんの負担になってしまうこともあります。
また母乳の出が悪いために完全母乳が物理的に無理な時や、仕事に復帰するためにミルク育児に切り替える場合もあるでしょう。
「なぜ完全母乳にしないの?」といった周囲からのプレッシャーを感じることもあるかもしれませんが、完全母乳にこだわるあまり産後うつやノイローゼになってしまうケースもあるようです。
粉ミルクでも赤ちゃんは立派に育ちますので、あまりこだわりすぎず、頑張りすぎないようにしてくださいね。
先輩ママの体験談とアドバイス
メリットは、外出する際の荷物の少なさです
下の男の子は生まれたときからずっと完母で育てました。 生後1か月くらいまではおっぱいの出も悪くミルクを足したかったのですが、哺乳瓶の乳首が嫌いだったのか何なのか全く吸ってくれず。 結局2歳10か月までおっぱいを吸っていました。 メリットは、外出する際の荷物の少なさ。 おむつとおしり拭きさえあれば、とりあえず出かけられるところ。 おっぱいを吸ってる姿はとにかく可愛い。おっぱいをあげている母親だけの特権。 デメリットは、外だろうが人前であろうが、抱っこをしていると、赤ちゃんがおっぱいを吸おうとするところ。 首元は開いている服を着ていると、上から手を突っ込み乳首を引っ張りだして吸おうとします。かなり必死な形相で。 それから、1歳を過ぎた頃から「まだおっぱいをあげてるの?いつまであげ続けるの?そろそろ卒乳しないと」という周囲から(特に義両親から)の意見が嫌でした。 現在の日本には完母信仰のようなものがありますが、私は必ずしも完母にこだわる必要はないと思います。 家庭それぞれに生活スタイルもありますし。 ミルクでもちゃんと抱っこして赤ちゃんの目を見てあげていれば、赤ちゃんは母親の愛情をしっかり感じています。 完母でなくても自信を持ってください。(山口県 Y.H) |
母親としてとても幸せな気持ちになれますし、赤ちゃんとの繋がりを感じられると思います
私の出産した病院では完全母乳を推進し、少しでも出る人は母乳のみで育児する様に指導を受けました。 もちろん母乳が必要量出る方なら赤ちゃんの免疫力も高まりますし、アレルギー回避にもなっていいと思います。 ただデメリットとしては母乳以外を飲まず、誰かに預けた時に粉ミルクを受け付けない赤ちゃんも多いと聞きます。 また母乳のみだと断乳が難しく、中々卒乳が出来ない場合もあるようです。 私はそれでも母乳育児はいいと思います。 母親としてとても幸せな気持ちになれますし、赤ちゃんとの繋がりを感じられると思います。 何より粉ミルクで育つより、母乳での育児の方が免疫力が強くなり、病気になりにくくなります。 母体にも良く、体重なども無理なく減らせます。母乳が出る方はぜひ母乳育児に挑戦して頂きたいですね(大阪府 E K) |
母乳に慣れてしまうと、いざという時に哺乳瓶を嫌がり飲んでくれないケースが多々あります
二児の母です。二人とも完全母乳で育てました。 断乳したのは2歳くらいでした。 粉ミルクと違って色々なグッズを持ち歩かなくても、母乳ならあげることができます。 産後の体重もすぐに元に戻すことができました。 デメリットとしては、まだ授乳の間隔があかない間は預けてどこかに外出するのは厳しかったです。 自分のおっぱいも張ってきますし、子供も空腹で泣いてしまってかわいそうでした。 あと自分が風邪をひいても薬を飲めないので毎回自力で治してました。 母乳に慣れてしまうと、いざという時に哺乳瓶を嫌がり飲んでくれないケースが多々あります。 でも母親も病気にかかることだってあるし、どうしても誰かに預けなくてはならない場合もあります。 そのためにも1日少しでもいのでミルクを足して育てるのもありなのかなと思います。 |
完全母乳がメリットがデメリットかはその母親の状態にあると思います
私から息子への完全母乳は3日で終了しました。 人工乳に否定的な産院の助産師に「人工乳で育たなかったという事例はない!」と半ば喧嘩口調で物申し、人工乳との混合へ切り替えました。 私の母乳は僅かにしか出ていなかったので、小さな息子は空腹と(多分)のどの渇きとでひたすら泣き続けました。 混合にしてから息子はよく眠るようになり、金切り声で泣くこともなくなりました。 母乳が溢れ出る母親なら完全母乳でも問題ないのかもしれません、でも、そうではない母親にとっての完全母乳指導は異常なほどの肉体的精神的苦痛を与えます。 完全母乳がメリットがデメリットかはその母親の状態にあると思います。 私にとって完全母乳(指導)はデメリットでしかありませんでした。 母乳が出ないという悩みを抱えているお母さんたちはたくさんいます。 母乳の栄養は完璧で、人工乳は危険な物質が含まれていると信じているお母さんたちもたくさんいます。 だけど、母乳っていうのは母親が摂取した栄養がそのまま出てくるだけなのではないですか?みなさんそんなにも栄養バランス完璧な食事をされているのですか?個人的に「母乳信仰」は良くないことだと考えています。 母乳が出ないことに悩む必要はないです。 出る分だけ与えて、足りなかったら人工乳で私はいいと思います。 授乳は体力を使います、睡眠不足でヘトヘトになりながらそれでも母乳を飲ませることに必死になる必要はないです。 私の息子は生後4日から混合でした。5か月後半から離乳食をはじめました。 食欲旺盛で体も大きく、おしゃべりと公園遊びが大好きな元気な元気な子に育っています。(北海道 T.H) |
幸い1人目から母乳はよく出る方だったので、ミルク代いらずで助かりました
私は息子(2人目)が、粉ミルクがダメだったので1歳頃まで母乳一本でした。 幸い1人目から母乳はよく出る方だったので、ミルク代いらずで助かりました。 栄養も行き届いてくれたのか、同じ世代の子に比べると体は大きく育ちました。 ただ、粉ミルクと違って腹持ちが悪い(消化が早い)ので、母乳を頻繁にあげなくていけなかったので、最初の頃は寝不足等で大変でした。 母乳は冷凍保存が出来るので、出かけるときや疲れているときは解凍して使用すると少しは楽です。 もし、粉ミルクが大丈夫なのであれば、母乳一本にこだわらず併用すると、とても楽です。 私は1人目が生まれた時からアレルギー持ちだったので、アレルギー用のミルクを夜と外出時に、後は母乳で育てました。 今は、アトピーが少しあるくらいでとても元気です。 もし、母乳一本でいくなら、適度な糖分とこまめの水分補給をオススメします。 母乳自体が糖分と水分(+栄養分)で出来ているので、母乳がよく出ます。 実際、私はで過ぎて、絞って捨てる感じでした。(沖縄県 R、U) |
まとめ
完全母乳で赤ちゃんを育てるお母さんは増えてきているようです。
完全母乳は、赤ちゃんの免疫力が高まったり、経済的負担が少なかったりといろいろなメリットがあります。
一方、赤ちゃんを預けにくくなったり、授乳間隔が短くて大変だったりといったデメリットもあります。
もちろんお母さん自身の考え方によるのですが、あまり完全母乳にこだわって頑張りすぎないようにしてください。
頑張りすぎると産後うつやノイローゼになることもあります。
頑張りすぎずに育児を楽しんでくださいね。